南アフリカ共和国西ケープ州で泥酔して保護された18歳の女性が14歳~17歳の少年4人と同じ留置房に収容されたという話を以前取り上げたことがある。
どういう結果になったかは言うまでもない。
さすがに、女性を男性と同じ房に収容するなんて話は南ア以外では考えられないと思われた。
南アの18歳の泥酔女性の場合は、警察署の留置房に入れられた直後に被害に遭い、まもなく署員が異変に気づいて彼女を助け出した。
だが、ブラジル北部パラー州のアバエテツバという町で10月16日に逮捕された15歳の少女の場合は、その日以来20日もの間、警察署の男子留置房に収容されていた。
少女が男子房に収容されている間、同房には20人~34人もの男たちがいた。
そもそも15歳の少女を男子房に収容するような、ずさん極まりない警察署である。
荒くれ男たちが少女をなぶりものにすることなど、実にたやすかった。
少女は貧しい家で生まれたと伝えられているが、身元は明かされていない。
現時点では、既に男子留置房から助け出されており、児童青年保護センターに保護されている。
ブラジル弁護士会人権擁護委員会が事態究明に動いている。
人権擁護委員会のミエレ・コーエン会長によると、少女が実際に何の容疑で逮捕され留置されているかを知る者は誰一人としていなかった。
強盗を働いたということになっていたが、当の刑事たちからして、いったいどの強盗事案が少女の犯行とされているのかを答えることさえできなかった。
つまり、正式な容疑は何一つ存在していない。
にもかかわらず、20日もの間、少女は荒くれ男たちになぶりものにされ続けてきた。
少女は、男子房に入れられた初日から男たちの欲望のはけ口にされ続けてきた。
いったい、何人の男たちの相手をしたかわからない。
相手をしないと、男たちは彼女の分の食事を分け与えてくれなかった。
少女は、生きるために男たちの慰み者にならざるを得ない状況に置かれたまま、20日にもわたる地獄の日々を送った。
しかも、20日目に救出されたのは、たまたまタレコミがあったからである。
そのタレコミがなければ、今現在も、生きるために男たちの相手をさせられていたことだろう。
弁護士たちが警察に事情説明を求めたところ、「その女性容疑者が未成年だという認識がなかった」というような回答があったという。
これを聞いて怒りをあらわにしているのは、パラー州のアナ・ジュリア・カレパ知事(女性知事)である。
「彼女が15歳だろうが20歳だろうが50歳だろうが80歳だろうが100歳だろうが、そんなことは関係ないのです。女性を男性と同房に入れてよいわけがありません。
その警察署の責任者には、懲戒処罰を与えるつもりです」
少女自身は、現在も不安定で、非常に強い恐怖感を抱いたままの精神状態にあるが、自分を留置場に収容した警察官と、自分をレイプした収容者を特定する用意があると表明している。
本件は、ブラジルのメディアが大々的に取り上げている。
本件が発覚する少し前にも、パラー州内の別の警察署で23歳の女性が1ヶ月にわたり70歳の男性と同房に収容されていたことが明らかになっていた。
冒頭で言及した南アの18歳の泥酔女性の場合は、さすがに彼女が被害に
遭ったことがわかった時点で署員たちが彼女を房から出している。
ところが、上記の15歳少女の場合は、彼女がどんな目に遭おうと署員たちが見て見ぬふりをしていたとしか考えられない。
“懲戒処罰”どころか刑事処罰を与えるべきではないだろうか。
また、このずさんな状況を見るにつけ、少女だけでなく非力な少年や内気な少年が留置房に入れられた場合も、屈強な男たちに食事を取り上げられ、交換条件で体の関係を強要されることが多かったりするかもしれない。
人権擁護委員会は、そのあたりにも踏み込んだ調査を実施するべきではなかろうか。
http://rate.livedoor.biz/archives/50485923.html